またコーヒーを片手に雑談した内容をまとめておきます。四方山話なので学術的なところは踏み入りません。あしからず。
神社の名前の話
名前が同じ神社って稲荷神社とか諏訪神社とかたくさんありますが、それぞれがきちんと大元から分霊されているかというと案外そうでもないという話。
もちろんきちんと神職さんをお呼びして御霊を分けて頂くという例も多いのですが、全てが全てそうかと言うとそうでもない、と。
特に神仏分離・廃仏毀釈の流れで今まで仏様をご本尊として祀っていたのを、生き延びるためにどうにか古事記・日本書紀の神様に無理やり宛がって祭神を変更し、改名したという例もあります。
例えば「第六天神社」とか。
元々は神仏習合の時代に第六天魔王(他化自在天)を祀る神社として創建されたものであるが、明治の神仏分離の際、多くの第六天神社がその社名から神世七代における第六代のオモダル・アヤカシコネ(面足命・惶根命)に祭神を変更した
こんな感じですね。「六」という数字からどうにか記紀神話に由緒がある神様にご祭神を変更した、と。
もっと「ちょwおまwww」と言いたくなるのがコチラ。
某所の白山神社。名前からすると、石川・福井・岐阜にまたがる白山を中心とした山岳信仰から連なる白山神社と想像できます。
白山自体も修験道の関係で九頭龍とか白山明神・妙理大菩薩とか一筋縄では行きませんが、その辺りは本筋とは関係ないので端折ります。
で、先の白山神社、元々は「百済神社」だったらしいです。百済(くだら)ですよね。
ところが、当時の民衆が文字を読めず「ひゃくさいさま」と言っており、そこに江戸時代の役人が神社調査を行った際に「ヒャクサイさまとはどんな神様か?」と考えた末に、「音の感じ的にきっとハクサンだろう」ということで白山の文字を当ててしまい、以降白山神社になってしまったのだとか。
……いや適当過ぎでしょ!
ということで神社の名前があっさり?変わってしまったという例です。しかも名前が変わったらハクサンなので「歯苦散」ということで歯の痛みに霊験ありという信仰が生まれたとかそういう尾ひれまで付いているので、「おいおい」と。
この話はきちんと『足利の伝説』(台 一雄著、1974年発行)という書物に記されています。
僧侶と技術
変わって仏教の話。僧侶の場合は
- 空海の温泉とか真水とか塩水とかお酒とかを杖を突いて泉を湧かせる話
- 行基は氾濫を繰り返して困っていた川に頑丈な堤防や橋を建設した
といった話が比較的有名ではないかと。
見方によっては、地質学に長けていたとか、土木建設の数学・物理的な知識・技術を持っていたということができるのではないかと。
そういう専門的な知識・技術を持って民衆を助けていたというところではないかな、と。
専門的な技術者と信仰
天目一箇神(アマノマヒトツメノカミ)という製鉄・鍛冶の神が奥宮としてひっそりと祀られ、表は星の信仰があった、とすると製鉄や冶金のような専門的な技術者の集団と信仰について考えたくなります。
星と言うと修験とか密教も関与が考えられるので、そういう意味でも仏教に掛かってくるのかな、と。
北欧神話
さて、こうした伝説に自分がどこから興味を持ったかと言うと、東方以外の何者でもないのですが東方の前はやっぱりファンタジー系だったので、北欧神話辺りはよく調べていたな、と。
トールキンの『指輪物語』とか、最近だと『ロード・オブ・ザ・リング』辺りがビジュアル的に連想しやすいのではないかと。ドワーフとか。
一般の方だと余り馴染みがない北欧神話ですが、現代にも北欧の名残はあって、最も身近な例は英語の曜日。
土日月が除いて、他は
- Tuesday: 戦の神テュール
- Wednesday: 知識や詩や暴風雨等の神ヴォーダン(オーディン、というとアース神族の長のイメージが個人的には強いですが)
- Thursday: 雷神トール
- Friday: 愛の女神フレイヤ(フリッガ)
と北欧の神に由来しています。身近なところに名残があるでしょう?というお話。
これはお話しませんでしたが、余談。
北欧で使われていたルーン文字は魔術的な意味があるとして今でもファンタジー御用達ですが、近距離用無線の規格であるBluetoothは初めてノルウェーとデンマークを交渉により無血統合した王様の通称に由来したもので、ロゴはその通称に使われる2文字を合体させた文字になります。
Bluetooth のロゴは、北欧の長枝ルーン文字(イェリング墳墓群の石碑に見られる)でハーラル・ブロタンの頭文字の H と B を組み合わせたものに由来する。
「つまり我々はルーン魔術によって無線通信を行っていたんだよ!!(AA略」
というわけで、こんなところにも北欧の風が吹いているのです。
日本の暦
曜日の話から日本の暦について。六曜とかもありますが、日にちの数え方で言うと先週も話した「十干」と「十二支」を組み合わせたもので表現していました。
「丙午(ひのえうま)」とか「庚申(かのえさる)」とか。
ちなみに、年と月と日と時刻(例: 丑三つ時)に十二支を使うので、「寅の年、寅の日、寅の刻」や「寅の年、寅の日、寅の刻」なんていうゾロ目的なことも起きます。
毘沙門天様は虎がお使いとされるので、鞍馬寺では「寅の年、寅の日、寅の刻」、信貴山朝護孫子寺は「寅年、寅日、寅の刻」にそれぞれ毘沙門天様が現れた、とされます。
あと暦というと太陰暦ですかね。旧暦とも言われます。
特に江戸時代の天保暦が有名かと。
ただ、この天保暦のルールで月を決めていくと、2033年に月の名前が定まらないという問題があり、少し前に話題になりました。
暦って当たり前のように使ってますが、科学の発展によって成り立っているのだと改めてありがたさを感じる次第。
以上、雑多な話題ですがまた引き出しを開けたのでメモまで。