雛の姓・鍵山とは何を意味するか。
かつて私は雛のキャラクター設定に着目し、厄を山、つまり人の手の及ばない場所に封印する、というニュアンスの下に「山に鍵をかける」から鍵山なのではないかと申し上げた。
これとは異なる見解を見付けたので、ここで述べてみたい。そこで着目するのは、かつて、日本で用いられていた鍵の形状である。
かつて日本で用いられていた鍵は、先端が渦巻きのようになっていた。これは現在も家紋によってその形を知ることができる。
この昔の鍵の形に着目すると、「厄」の文字に似ていると感じられた。雛の衣装にも厄の文字を模した赤い刺繍があり、その形もこの着想をもたらした。
余談だが、雛自身は回転していたり、スペルカード発動中の背景に渦巻きの模様が出現することから、「渦」の文字を連想することもできる。渦と同じつくりを持つ「禍」の文字が凶事を表すことも興味深い。
ところで、鍵と同じ意味の漢字として「鑰」という字がある。
音読みすると「ヤク」であり、「厄」と音が通じる。このことから、「厄→(形、音の繋がり)→鑰=鍵」と連想することができる。
…つまり、雛の姓・鍵山とは「厄山」を表すと考えられないだろうか?
幻想郷の厄は、雛のダブルスポイラーでのスペルカード 厄野「禊川の堆積」から窺うに堆積するものであるらしい。
したがって、集まった厄の山、というのが雛の姓の意味するところと考えることは可能なのではないだろうか。