緋想天のBGMを聞いていて思ったこと

初版: ’08 6/10

今更な気もしますが。

“緋想天”、”東方緋想天”を始め、”放縦不覇”や”雲外蒼天”、”天衣無縫”といった、ストーリーモード時に、キャラ同士の会話の際に流れる種々の楽曲達。

これらがみな、同一のメロディラインをベースとして別々のアレンジを加えたものではないかと気付きました。なお、エンディング時のBGM”暮色蒼然”も含まれます。

これらが示すことは、一体何なのでしょうか。

ということで、以下思いついた自分の考えを述べてみたいと思います。無論確証などありません。

そこでまず考えることは、どのメロディがオリジナルか、ということです。

正確に言えば、どの楽曲に最も重みが加えられているか、です。無論、作業に関しては平行作業なども考えられますから、どれが最初に作られたもの、オリジナルかを判断するのは難しいと思われます。

しかし、楽曲に各々別の名前が付けられているようにそれぞれには別個の意味を持っているとも考えられます(私はそれらをまだ把握していませんが…)。

ただ、その状態でも比較的容易に考えられるのは、同じメロディを用いつつも、一番重みを置いている楽曲…それは、今作のタイトルそのものになっている曲ではないか、と考えられます。

つまり、”緋想天”、或いは”東方緋想天”。この二曲が、これら同一のメロディラインを用いている曲群の中でも、特に重みが加えられている曲ではないでしょうか。

そこで、”緋想天”、或いは”東方緋想天”をベースとして考えてみます。この二曲は、そのまま今作のタイトルにもなっていることは、先にも述べました。

ところで、東方Projectの作品名には各々、ボスの名前の漢字が含まれています。例えば、『東方”妖々夢”』ならば、魂魄 “妖””夢”と西行寺 幽”々”子、『東方”風神録”』であれば、東”風”谷 早苗と八坂 “神”奈子、といった具合です。『東方”緋想天”』も例外ではありません。比那名居 “天”子、そして”緋想”の剣です。

すると”東方緋想天”の名前は、暗に天子と緋想の剣を指しているとも考えられます。タイトルと同じ名前の楽曲も然りです。

そこで、”緋想天”や”東方緋想天”という楽曲の名が示す存在に着目する事で、この楽曲が様々なアレンジをされて劇中で登場する意味を考えてみたいと思います。

そこで、特に緋想の剣に着目してみます。

緋想の剣は、”気質”を見極める力を持っています(おまけ.txt)。そして、緋想の剣が見せる気質とは、天気だといいます。

今回、この緋想の剣の力によって天気がころころ変わるのは周知の通りです。先に述べた通り、この天気の変化は緋想の剣の力によるものです。また、これは言葉の問題ともいえますが…天気は”変わる”ものであり、”生じる”ものや、”消える”ものではありません(天気が変わる、とはいいますが、天気が生じる、または天気が消える、とは普通言いません)。

それは、天気は移ろい変化するものではあっても、その核たる部分には恒久的な不変のものがある、ということを意味しているのではないでしょうか。

今回は気質の種類が天気の変化となり、気質の変化がそのまま天気の変化になっています。とすれば、その不変的な核は”気”ではないかと考えられます。つまり、”気”が多種多様に変化する事によって気質の差異となり、緋想の剣の力によって天気の差異となっていると。

では、ここで緋想の剣を暗に名前で示している楽曲、”緋想天”に話を戻しましょう。楽曲も、ある一つのメロディラインをベースとしつつ、それが種々の会話時のBGMとしてアレンジされています。つまり、一つのメロディラインが不変的な核として、アレンジという形で様々な姿に変化しているといえるでしょう。

…とすれば、楽曲のアレンジと気質の変化、天気というものはそれぞれ比定できるのではなか、と考えられるのです。

その中心部には不変的なベースがあり(緋想天、或いは東方緋想天の楽曲/気/緋想の剣)、それが様々に姿を変えて劇中で登場する(種々の会話時BGM/気質/天気)、と。

つまり、”緋想天”或いは”東方緋想天”という楽曲は、不変的な本質、”気”を表し、それはまた天気を変化させている原因の緋想の剣にも通じます。

そして、緋想天のメロディを種々にアレンジされた楽曲は各々多種多様な気質を、そして緋想の剣によって具現化された天気を表しているのではないでしょうか。

今作において、最初は天気の異常に気付いていなかったプレイヤーキャラは、別の人物との接触を重ねる事で、天気が普通ではない事に勘付き始めます。天気の変化は普通ではない、これは異変だ。とすれば、異変を起こしている存在がいる…。

そして、勘の良い人であれば、そうして邂逅を重ねる内に楽曲のメロディに気付くのかもしれません(私は気付きませんでしたが…)。音楽は変化しているけれど、メロディは同じだ。とすれば、これらの曲はアレンジで、アレンジの元になった楽曲があるはずだ…。

プレイヤーキャラは最後に知らされます。異変の元が一振りの剣であることを。

また、プレイしている人間も気付くのかもしれません。アレンジの元になった曲は、おそらく”緋想天”の名であると。

そしてプレイヤーも、プレイしている人間も、その存在を知る事になるのです。”緋想”という名の剣の存在を。片方は様々に変化する天気を通して。もう片方は、様々に変化する楽曲の名前を通して。

…と、最後まで繋げてしまいましたが、要するに同一のメロディラインを使ってアレンジを重ねた楽曲群は今作の大きなテーマになっている、様々に変化する天気と対応していて、そこに気付く事で緋想天という名前に立ち戻り、緋想の剣の存在を示唆するものではないか、というのが私の雑感です。

そう考えると、会話時のBGMにも意味が与えられていたということに…。これはまた新たな考察の切り口になる…かもしれませんね。

この記事を書いた人

アルム=バンド

東方Project から神社と妖怪方面を渡り歩くようになって早幾年。元ネタを調べたり考察したり巡礼・探訪したりしています。たまに他の事物も調べたりします。
音楽だと Pain of Salvation を中心に Dream Theater などのプログレッシブメタルをメインに聞いています。
本は 平行植物 。