三月精第3部1話の雑感

初版: ’09/6/12

まずは一言。以前にも申し上げましたが、椛の耳はそっち、と。

さて、今回着目したのはいつの間にか置かれていた酒に関しての霊夢と魔理沙のやり取り。

魔理沙が言ったのはおそらく足長おじさんのことだと思われますが、そのセリフに対する霊夢の返答は足長様について。足が長い、ということからの連想だと思われます。

足長様といえば、諏訪子のスペルカードに土着神「手長足長さま」がありますね。足長神は諏訪の土着神といわれ、四賀の足長神社に祀られており、上桑原村の産土神として信仰されています。

諏訪子は山の神様なので、足長様から諏訪子、或いは守矢神社を連想して
「山の神様ではないと思うけどね」という発言に至ったと考えられます(この辺りは洩矢 諏訪子考察/第6節も参照のこと)。

ところで、足長神社の祭神は足摩乳神とされています。

この足摩乳神に関しては、『古事記』には足名椎神と記され、素盞鳴尊(古事記表記:速須佐之男命。以下同。)の八岐大蛇対峙の神話に稲田姫命(櫛名田比売神)の父神として登場します。

その際に、

僕者国神、大山津見神之子焉。僕名足名椎謂、…

といったと記されています。

ここでの大山津見神が天孫降臨後にて木花佐久夜比売命の父神として登場する神様と同一の神格なのかどうかは本題ではないので置いておきますが、手摩乳神(手名椎神)が大山津美見神の子であれば、手摩乳神も山の神様としての神格を持ち合わせていることが考えられると思います。

先の霊夢の発言に話を戻せば、足長様→足摩乳神という連想から山の神様という単語が出てきたのでは、という考え方もできるかなと思って記してみました。

ただ、この連想も結局は足長様について知らないとこの連想はできないと思うので、前者の足長様から諏訪子や守矢神社を思い浮かべた方が自然なように思われます。

…いえ、それだけですと面白みがないので少しひねった考え方をしてみただけです、はい。

― 出典 ―

  • 『コンプエース 七月号』「東方三月精 Oriental Sacred Place. / 第1話」 原作:ZUN 漫画:比良坂 真琴 一迅社発行 2009

― 参考文献 ―

  • 『古事記 日本思想大系1』 青木 和夫/石母田(いしもだ) 正/小林 芳規/佐伯 有清 株式会社岩波書店 1982
  • 『すぐわかる 日本の神々 聖地・神像・祭りで読み解く』 鎌田 東二監修 株式会社東京美術 2005

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