三月精第3部第2話雑感

初版: ’09/7/3

今回も箇条書きで。

  • ルナチャイルド
    • いきなりコケた。
      • 第3部でも鈍くさいイメージは変わらないのですね。
    • 眼鏡をかけて読書。
      • そういえば、東方キャラで眼鏡をかけている姿を見るのは珍しい気がする…
  • サニーミルク
    • ダンボール箱
      • 潜入の際に見つからないように隠れるのは、どこぞの蛇のオマージュですかね。とはいえ、その蛇の方もまた別のもののオマージュらしいですが。
  • 霊夢
    • 物が現れたり消えたり…
      • それって生活の上で結構苦労しそうな気がするのですが…慣れてしまえばそうでもないのですかね?
  • 神社と霊夢
    • そう、確かに霊夢は博麗神社の社殿に住んでいるようですね。神社の社殿って人が住むような場所ではないと思うのですが…そうすると霊夢は一体…?
      神と同一視されるような存在なのか(巫女ですし)、それとも…博麗神社にまつわる謎ですね、これは。
  • 神社の謎解き
    • これは今後も目が離せそうにないですね。博麗神社について今後どういった言及がなされるのか…

以下、重めの内容。

神棚

今日の神棚は、大抵神社から頂いた神札を祀っているものと思われます。

この神札は神霊が宿るものであり、そうして神霊を神社から勧請(分霊)して祀り崇めるという点では、神社と神棚の間に大きな差異はないといえるでしょう。

また、神棚を拝む際も神社と同様に二拝二拍一拝で拝みます(ただし地域や家庭によっては二拝四拍一拝としたり、神拝詞を奉じたりするなど異なる場合もあるようです)。この辺りはルナチャイルドが述べている通り。

神棚の神札を収める宮形にも幾つか種類があるようです。博麗神社にあるものは見た感じ、伊勢神宮の社殿を象った神明型、また一社造のようです。しかしどのような神様を祀っているのかは扉が閉じられているので不明(宮形の扉は普段は閉めておくのが普通)。

また、神棚の上部には雲形が取り付けられていますが、これはその部分を天空に見立てる意味があるといいます。なお、この雲形は2階建ての家やマンションなど、神棚の上に当たる場所を人が歩く場合に取り付ける場合が多いようです(余談:そうすると、居間の上に何か人がいられるようなスペースがあるということなのでしょうか?とはいえ、一般的にそうというだけであって必ずではないので別に上にスペースがなくとも良いように思えますし、幻想郷の住人には空を飛ぶ輩が多いので、神社の上を飛び越える者がいることを考慮したものなのかもしれないと考えられなくもないですし、あまりこだわる必要もないでしょうかね)。

神棚に上がっている神饌は、米、お酒、水、塩などが一般的のようです。それから判断すると、(器からの見た感じの印象ですが)中央が米、向かって左端が水、米の両脇にお神酒、とすると一番右端が塩ですかね?ただし、これに関しては容器の形から直感的なので根拠はないです。

ちなみに、ルナチャイルドが言及しているように神社の中に神棚というのは確かに変な気がします。

神棚は家の中に設けるのが普通で、神社にはないはず。しかし博麗神社には霊夢が住んでいて、神社の中に居住スペースがあって博麗神社を霊夢の家と考えれば家の中に神棚があるのは自然…か?

何はともあれ、今後の言及に期待。

フラクタル

順番が前後しましたが、神社と神棚について述べた後の方が良いかと思ったのであえてずらしました。

フラクタル(fractal)はフランスの数学者マンデルブロ(Mandelbrot)が提唱した概念です。

直感的には、ある図形において、その図形の一部分である図形と元の図形全体とが自己相似であるような図形などを表すようです。

作中で図示されている三角形を並べた図形も、フラクタルな図形の一例といえると思います(これは繰り返し回数は2回ですかね)。

一つの三角形の中に黒い逆三角形を含む(その逆三角形をなす三つの頂点は元の三角形の辺の上にある)という図形が全体の図形であり、同時にその一部分の図形でもある、と。

このフラクタルについては、厳密には”ハウスドルフ次元が整数ではなく、位相的次元よりも大きい不規則集合、または図形のこと”などと定義されたりするようですが、この辺りの話はややこしくなるのでここでは割愛(マンデルブロー集合とか)。

作中で図示されたようなフラクタルな図形は、全体と部分とが自己相似なので、図形の中のどんな一部分でも、元の全体の図形と同じ複雑さを保有していると考えられます。

その観点から見れば、規模には大小の差はあれど、性質は神社と大きな差異は無い神棚と元々の神社とを相似な関係とみなせば、フラクタルという比喩は的を得ているような気がします。


…と、気になったのはこのくらいでしょうか?

神社と神棚について、またフラクタルについてまとめるのに(まとまっているかどうか怪しいですが)思ったよりも時間がかかってしまいました。とりあえず、今回の雑感は以上です。

― 出典 ―

  • 『コンプエース 八月号』「東方三月精 Oriental Sacred Place. / 第2話」 原作:ZUN 漫画:比良坂 真琴 一迅社発行 2009

― 参考文献 ―

  • 『すぐわかる 日本の神々 聖地・神像・祭りで読み解く』 鎌田 東二監修 株式会社東京美術 2005
  • 『Truth In Fantasy54 神秘の道具 日本編』 戸部 民夫著 株式会社新紀元社 2001
  • 『お宮へ行こう ―神社の基礎知識―』 神社新報企画編 神社新報社 H.11第九版
  • 『数学辞典』 一松 信/伊藤 雄二監訳 株式会社朝倉書店 1993
  • 『岩波 数学辞典 第4版』 日本数学会編 株式会社岩波書店 2007第4版

この記事を書いた人

アルム=バンド

東方Project から神社と妖怪方面を渡り歩くようになって早幾年。元ネタを調べたり考察したり巡礼・探訪したりしています。たまに他の事物も調べたりします。
音楽だと Pain of Salvation を中心に Dream Theater などのプログレッシブメタルをメインに聞いています。
本は 平行植物 。