『幻想の庭』
特にブロンズ彫像の『幻想の庭』はツキノヒカリバナ、夢見の杖、森の角砂糖バサミ、タダノトッキ、ユビナリソウ……など目白押し。地形も丘あり川あり、平行植物の植生と相互関係性を示しており非常に興味深いものでした。- ユビナリソウのあの頭部はやはり落ちるものなのか
- 丘の上の一見するとただの出っ張りのような岩、おそらくキマグレではないか
- ツキノヒカリバナはわりと水辺にも棲息するようだ
資料映像
一方、展示内の映像で平行植物は人間を表すとの言及があり、今までとはまた異なった視座を与えてくれました。 また、レオ・レオーニ自身の人柄として、人が作った「モノ」が大好きなんだと感じました。 特に紙が顕著ですが、他のものも好きである意味ガジェットマニアのような印象を受けました。 さらに、その「モノ」だけでなく、「モノ」の内包する文化や文脈も含めて好きなように感じました。 平行植物についても、人(の文化)との関わりや、それ自体を人間と見立てた場合の相互作用など、また別の視点で見ると面白いかもしれません。 ちなみに、トスカーナにツキノヒカリバナ3つのブロンズ彫刻があるようです。生で見てみたいですね。平行植物関連の絵画
ツキノヒカリバナの絵は、昼間は漆黒なのに夜になると青白く輝くという設定はやっぱりセンスを感じます。 なお、図録に拠ると空想の肖像画を描いているさ中で「細長いキャンバスを取り出して描き始めたら木になった」というところから植物の着想が生まれ、平行植物に繋がっていったようです。 また、今回の展示で新装版の『平行植物』の序文の下部分の挿絵にさらっと今回のジーラルーナやキマグレが使われていたことに初めて気付きました。平行植物の他にも、『スイミー』を始めとする多くの絵本の原画が大量にあったので非常に貴重な展示会でした。 心残りは、平行植物に関するグッズが(書籍以外)1つもなかったことか(ターゲット層的にもウケ的にもそれはそうでしょうけど)。