Realise It Yourself Vol.1 参加 (追想)

先日簡単に感想を書きなぐったのですが、改めて書かせていただきたく。

そのときは興奮冷めやらぬ中で言語化もままならず、とにかく熱量のまま「すごくすごかったです!」と言うしかなかったくらいには言語能力を喪失していたのですが、少し時間を置いて何とか言語化したいと思った次第です。

まずは先日も触れた通り、私にとってはメタルバンドのライブはおろか、そもそも音楽イベント自体参加経験がほぼゼロだったので勝手も分からなかったのが正直なところです。

とはいえ、それでもあの場で他の方々と一緒に縦ノリしたり腕を突き上げたりできたのはやはり場所自体も場の空気も良かったお陰なのかな、と思います。

これも先日触れた通りですが、メタルバンドのライブが初めてだったので最初はただただ暴力的といえるまでの音の洪水にただただ圧倒されていました。ちなみに Pain of Salvation 以外は初見でした。不勉強で申し訳ないです……。

特にトップバッターの Cyclamen はドラムをはじめとした爆音とグラウル・ボイス(いわゆるデスボ)に加えて、ライトとプロジェクションの映像効果もあって音と光の双方の大洪水で「これが……これがメタルのライブ……!」と圧倒されっぱなしでした。

Textures は変化球多めだった Cyclamen から比べるとストレートだったように個人的には思えます。3曲目辺りで空気が変わった感じがしましたが、後で Reaching Home という曲名だったと知りました。

改めて聞いてみてもこの曲良いですね……(ちなみに Textures の他の曲を検索すると普通にグラウル・ボイス入っていたりやっぱりテクニカルだったりするので、孤児的に聞きやすかったのは相対的に……ということだった模様)。

Cynic は再び音の洪水という様相。全体的にライトの演出が暗めで中々バンドメンバーのお姿を拝見することが難しかったですが、途中スポットライトのように白い光に照らされていた曲は他の曲と打って変わっておとなしめの曲で、かえって印象に残りました。

そして最後のトリが待ちに待った Pain of Salvation 。

始まる前から「あ、 Youtube の動画で拝見していた(動画でしか見たことがない)方々が現実に、目の前にいらっしゃる!」というある種の感動を覚えつつ今か今かと始まりを待つ。バックに PAIN OF SALVATION の文字と PANTHER のイラストというのもアガります。

ライブ日が火曜日で、前日の Pain of Salvation の Instagram のストーリーでも BGM に On a Tuesday が使用されていたので、トップに来るか?と思っていたのですが最初は Accelerator 。しかしこれはこれでアルバム(PANTHER)最初の曲なのでトップバッターとして掴みはバッチリな気がします。

続いて Reasons 。先日も触れた通り、CD時点では若干苦手意識がありましたが、ライブだとヘドバンしてかなりノレる曲だったのか、と認識が変わりました。ライトも上から下に振り降ろすように演出されていて曲やヘドバンとシンクロしてシナジーが凄い。そうこうしているうちにシャウトターンで畳みかけてきました。ここでエネルギーは大爆発。アルバムとは全然エネルギー量が違いますね。

その興奮冷めやらぬ中メロウなイントロで Meaningless 。 Reasons と同じ In the Passing Light of Days からですね。いったんクールダウンしつつ、最後には高音のボーカルからシャウトでまた炸裂していく。

曲はどれもこれも見知った曲ではあるのですが、どれもこれもハイパフォーマンスで、音の洪水という点とは別の意味でまた圧倒されていました。

Used もありました。「ここで The Perfect Element Part.1 の曲が来るか!」と、これはこれでまたテンション上がってまた縦ノリするという。最近の曲も良いのですが、やはり The Perfect Element Part.1 や Remedy Lane の曲は別格と言いますか、特別な感慨があります。

次は Beyond the Pale 。最初は曲名が出てこなくてもやもやしていましたが音源から Remedy Lane の曲ということはすぐに分かって、後で思い出した感じです。この曲も元々聞いていましたが、今回のライブでかなりプラス補正かかりました。濡れるようなメロウなボーカルも、後半の畳みかけるようなシャウトと演奏も凄まじい。

ここで今までのパフォーマンスに満足しきりで半ば忘れかけていたのですが、始まったのが On a Tuesday 。やっぱり!と完全に膝を打つ感じでした。上述の通り最初に少し肩透かしを食らったような気はしましたが、それも杞憂でした。ここで聞けるとは、感無量。

ここまでみんな聞き馴染みのある曲ばかり。本当、生で見聞きできたことが暫く信じられないくらい現実感を喪失していました。

期間限定配信でリピート確定して Falling & The Perfect Element の大トリも〆に相応しいコンボも何度も見返しました。

本当に夢のような時間でした……。圧巻のパフォーマンスがまさか日本で見ることができたことが未だに信じられない程です。信じられなさ過ぎて SNS で検索して同じ場にいた方々の投稿を見ては「やっぱりあれは現実だったのか」と補正をかけないといけないくらい。

帰りがけが季節外れの本降りの雨で、人もまばらな閑散とした雨の夜の駅で Kenny Drew Jr. の Lullaby of the Leaves が流れていた、という体験も現実感が薄れる要因の一つだったのかもしれません……あの熱狂がまるで嘘だったかのような氷雨と静かなミュージックで一日が終わるという、最初から最後まで非現実的なエクスペリエンス。

参考リンク

この記事を書いた人

アルム=バンド

東方Project から神社と妖怪方面を渡り歩くようになって早幾年。元ネタを調べたり考察したり巡礼・探訪したりしています。たまに他の事物も調べたりします。
音楽だと Pain of Salvation を中心に Dream Theater などのプログレッシブメタルをメインに聞いています。
本は 平行植物 。