星符「オールトクラウド」
Oort Cloud。オールトの雲とも。
太陽系の彼方、冥王星よりも遥か遠く、数万au(astronomical unit / 1au ≒1.5億km)以遠にあるという、いわゆる彗星の巣。
太陽系を求核状に取り囲んでいるといわれ、その中に無数の彗星が内包されているという。
1950年にオランダの天文学者ヤン・オールトによってその存在が提唱された。
長周期彗星はこのオールトの雲からやって来ると考えられている。このうち惑星の引力によって軌道が歪むことで元の場所まで戻れず、惑星領域の中で公転するようになったものが短周期彗星と考えられた。
しかし、長周期彗星が短周期彗星になる頻度から推測される数よりも実際に観測される短周期彗星の数が多かったため、オールトの雲よりも太陽系に近い位置に「内部(インナー)オールト雲」があるという考えも提唱されている。
なお、似たものとしては冥王星の軌道の少し外側にベルト状に広がる彗星の巣「カイパー・ベルト」も1951年にアメリカのカイパー(Kuiper)によって提唱されている(アイルランドのエッジワース(Edgeworth)も同様のものを提唱した)。
― 出典 ―
- 『ダブルスポイラー ~ 東方文花帖』 上海アリス幻樂団製作 2010
- ※ 劇中のスペルカード、文・はたてのコメント など
― 参考文献 ―
- 『Newton別冊 太陽系大図鑑』 辻 裕久発行人 竹内 均編集 株式会社教育社 1995
- 『カエルや魚が降ってくる! 気象と自然の博物誌』 ジェリー・デニス著 鶴岡 雄二訳 株式会社新潮社 1997