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庭渡 久侘歌 考察
1. 鶏の神 鶏は古今東西で人間と関わりの深い動物の一つである。 例えば、古代ギリシャではプリニウス『博物誌』でB.C.371年にボイオティア人がスパルタ人に勝利した際に一晩中ときの声を上げたことでそれを予兆したといい、 […] -
2.地獄に住む烏
ところで、『地霊殿』において旧地獄跡地の様子が明らかにされた。 そこは地獄から切り離された為、新たな罪人が落とされてくることはなくなっていた。 その為、現在その地に住む者といえば 元々棲んでいた地獄鴉、死体を運ぶ火車、 […] -
1.妖怪・覚さとり
’09/4/24に第1節を改訂し、全体の構成を少々変更しました 妖怪・覚。 江戸時代、鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』に拠れば、その姿は色黒く、全身長い毛で覆われた姿で描かれている。 書によっては猿、或いは狒々(ひひ)に似た […] -
3.橋姫 ― 境界の守護者
これまで宇治の橋姫について、第1節ではその伝承について、前節ではその性格の一として嫉妬深いこと、またパルスィについて嫉妬と関連する事物を述べてきた。 さて、橋姫という存在は宇治の橋姫以外にも存在すると前節の冒頭部で軽く触 […] -
射命丸 文/雑考 ― あやややや ―
あやややや これは言うまでも無く、『東方風神録 ~Mountain of Faith.』ステージ4にて霊夢や魔理沙と対峙した文が発した言葉である。 このセリフを見て、ある者は毒気を抜かれ、またある者はまだ姿を見せていない […] -
― 考察 ― 秋姉妹について
ここでは、『東方風神録 ~Mountain of Faith.』に登場する「秋 静葉」と「秋 穣子」の両者について考察を行う。 筆者は前回、稗田阿求について考察を行った。一応、阿求に関連しそうな事項は(筆者の多分な推測を […] -
6.手長足長さま
名高い山々に囲まれた諏訪盆地。ここには、諏訪湖が湛えてられている。 その諏訪湖の東岸部に、二つの神社が存在する。一社は諏訪市上諏訪茶臼山に鎮座する手長神社、もう一社は、同市四賀普門寺に鎮座する足長神社である。 これらの神 […] -
1.全ての始まり ― 二拝二拍一拝 ―
開宴「二拝二拍一拝」 それは、土着神の頂点・洩矢 諏訪子が最初に行使するスペルカードである。 「二拝二拍一拝(二礼二拍一拝、二拝二拍手一拝など幾つかの呼び方あり)」とはいうまでもなく、神社で神を拝み、祈願する際に行う所作 […] -
2節.要害なる山の先導神
天照大御神の孫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天上の高天原(たかまがはら)より地上の葦原中国あしはらなかつくにに降りようとしていた。 その際、瓊瓊杵尊は多くの神々を従えており、一行は天地の間にある”天の八衢(あめのやちまた […] -
1節 弾幕と小説、渓谷に見ゆ姿
――木々の茂る夏の穂高山、濛々もうもうと霧が立ち込める梓川あずさがわの畔ほとりで、男は河童に遭遇した。 男には幾度かの登山経験があった。穂高山を登る道も心得ていた。それ故、彼はその日たった一人で靄もやのかかった山に入って […] -
鍵山 雛考察 ― 補考・産医師異国に向こう ―
産医師異国に向こう…… ……御社に蟲さんざん これは、鍵山 雛と対峙した際に魔理沙が唱えていた言葉である。 また、これは円周率の語呂合わせでもあると、本考で述べた(「3.14159265」35897932「3846264 […] -
3節 廻り巡る災禍の胎動
雛は、人々の災厄を引き受け、運び去る流し雛である。 その一方で、人々に災厄をもたらす厄神でもある。そう、先の2つの節で述べてきた。では、この一見相反する二つの側面は、如何にして結び付いたのであろうか? その答えは急いて出 […] -
3節 香を嗜む豊穣の神
豊かに稔った農作物を食い荒らそうとする鳥獣。そういった者達を追い払う為に人間によって立てられ、田畑に佇む人形。 それが、我々が抱く案山子の一般的なイメージであろう。 特に稲田に立てられることが多い為、案山子もまた秋の風物 […]