ダブルスポイラー 黒谷 ヤマメ スペルカード

細綱「カンダタロープ」

カンダタとは、芥川龍之介著の短篇小説『蜘蛛の糸』に登場する人物・犍陀多のことと思われる。

同人物は『蜘蛛の糸』の主人公でもある。

生前に多くの罪を犯したために、物語の最初では地獄の底の血の池にいた犍陀多であったが、生前に蜘蛛の命を助けたことがあったため、極楽の御釈迦様が糸を垂らして犍陀多を救おうとした。

この糸を犍陀多が登っていると、下から他の亡者も登ってきた。そこで犍陀多が糸を独占しようとしたところ、糸が切れて再び地獄に落ちた、という話。

画面端で反射して返ってくる赤い弾は、犍陀多が血の池から登っていく様子を表しており、途中から追加されるばら撒き弾は犍陀多以外に糸を登ってきた亡者を表しているのだろうか。

そうして多くの亡者がぶら下がっているのは一本の蜘蛛の糸。それは一見すれば、多くの亡者がぶら下がるには細すぎるように見える。それゆえ、最初に”細綱”と冠されているのかもしれない。

ropeは縄、綱の意味なのでそのまま「犍陀多のロープ」ということであろう。ちなみに、『蜘蛛の糸』は典拠があるようだが、関連は薄そうなのでここでは省略する。

― 出典 ―

  • 『ダブルスポイラー ~ 東方文花帖』 上海アリス幻樂団製作 2010
  • ※ 劇中のスペルカード、文・はたてのコメント など

― 参考文献 ―

  • 『芥川龍之介全集 新潮社日本文学10』 芥川 龍之介著 株式会社新潮社 S.54
  • 『世界大博物図鑑 第一巻 [蟲類]』 荒俣 宏著 株式会社平凡社 1991

毒符「樺黄小町」

樺黄小町とは、カバキコマチグモ(学名:Chiracanthium japonicum)のこと。カバキコマチグモの体長はおおよそ10mm強程度で、背甲はだいだいから黄色を呈する。ススキなどのイネ科植物の葉を折り曲げて巣を作る。日本の在来種の中でも毒性が強い。そうした特徴の中でも特に、一回目の脱皮を終えた子グモが母グモを食べてしまう習性で知られる。

これらの特徴と弾幕とを照らし合わせるならば、まず”毒”符の名は日本の在来種の中でも毒性が強いことに由来すると考えられる。

ヤマメの能力が「病気(主に感染症)を操る程度の能力」であることも、人間の体内で害を与えるという点では関連性が見出せるかもしれない。

一方で、弾幕の色はカバキコマチグモの背甲等の色を表し、放たれた弾幕がヤマメ自身へと収束し、直後にヤマメが姿を消すという演出は上記の子グモが母グモを食べる様子を表しているものと考えられる。

― 出典 ―

  • 『ダブルスポイラー ~ 東方文花帖』 上海アリス幻樂団製作 2010
  • ※ 劇中のスペルカード、文・はたてのコメント など

― 参考文献 ―

  • 『原色日本クモ類図鑑』 八木沼 健夫著 株式会社保育社 S.61
  • 『広辞苑 第六版』 新村 出著 岩波書店 2008

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